研究概要 |
1.総合的な学習の時間における学習テーマについて 次の理由から,環境,または環境とSTSを中心とすると全体が構成しやすいことを指摘した。 (1)児童・生徒は,現代社会に生きる上で,環境問題を最重要の問題と受け止めている。 (2)教師側も,総合的な学習の時間で扱うべき最重要課題として,環境をあげている。 (3)「環境・エネルギー」と「生命・医療」こそ,現代社会の2大テーマと言い得る。 (4)環境とSTSを中心にして学習活動を構成すれば,国際理解や福祉・健康の学習につながる。 2.総合的な学習の時間におけるキャリア教育について これまでの進路指導は不十分であり,進学指導に偏っていた。総合的な学習の時間にキャリア教育の要素を加味すれば,「生き方」を問う学習となり得る。 大学の研究者を対象とした調査の結果,中学校・高校段階における敦師や授業が彼らのキャリア選択をある程度左右していることが分かった。 3.科学関連情報の受け止め方に関する調査 科学・技術関連情報に接した時,それがデマ情報であっても,身近さ,現実味,具体性を帯びていれば信じやすいことが分かった。これはSTS教育の必要性を支持する。 4.STS的な総合性を持つ高校新設科目「理科基礎」教科書の見本全4種を分析し,科学史の多様な活用法を示した。 5.総合的な学習の時間のためのプログラムを4つ開発した。 「出生前診断」,「地域の食」,「目常生活と地球温暖化」,及び「石けん・合成洗剤」である。
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