研究課題/領域番号 |
12680186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
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研究分担者 |
三田 純義 小山工業高等専門学校, 助教授 (50280350)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 高校工業教育 / 実験・実習 / 専門性 / 技能 / 段取り / 製図 |
研究概要 |
本研究は、高校工業学科を卒業し、実際に産業界で工業技術にかかわる人々が、高校で受けた教育内容とくに工業教科の内容をどのように評価しているかを追跡調査する。この結果を踏まえ、目的意識の明確な生徒のための専門性の高い工業教育の教育課程開発の基礎データを得ることを目的とする。調査対象は、永い歴史と特色があり、同窓会も確立している国立1校、大阪と鹿児島の公立3校とした。対象学科は、機械、電気、建築、工業化学、土木、他2学科とした。対象者は、昭和35年から同63年までの8年度を選択し、6872名中1689名が回答(24.6%)。 集計・分析の結果、(1)回答者の多くが高校工業教育を高く評価している。(2)学科による相違がかなりある。とくに建築・土木は社会での職業と密接に接続し、工業教育への評価が高い。資格取得や就職後の学習状況に顕著に現れている。一方、機械は就職先が多様で、専門教育と職業との接続関係が明確ではない。工業化学では、さらに拡散傾向にある。工業教育の専門性の検討では、学科毎の個別的な考察が重要である。(3)就職後にした仕事は「設計・製図・見積もりなどの技術的デスクワーク」が非常に多い。(4)中堅の頃の仕事が高校の専門科目と何らかの関係がある人が80%台と大多数。(5)高校の専門科目で仕事に役立つと評価されたことは「専門科目で学んだ理論の基礎」と「専門科目で学んだ実際的技術的知識」であり、「製図で習得した技能、技術的知識」は学科により評価がかなり分かれた。(6)生活への高校教育の影響は、「具体的な体験を通じて、関連分野の技術的イメージが構成しやすくなった」を始め、15才からの多感な時代だけに、大である。(7)今後の工業教育のあり方では、「普通教育と専門教育とのバランスをとる」「専門教育をもっと充実して行う」などが多数。(8)充実させる教科・科目は「体験を通して学べる実験や実習」「課題研究」「情報技術」「就業体験」の順で多い。 4校を比較すると、公立3校はほぼ同様の傾向を示し、地域の相違はさほど認められない。
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