研究概要 |
教育実習生が授業設計で用いる各種資料のデータベースを作成し,授業に関わる実践的能力を育成・向上する自己学習支援情報システム開発の基礎研究を行う事を目的とした. 教育実習生が授業設計で必要とする資料を知るため,「算数」の授業を基に,教育実習の指導教員・実習終了直後の学生などに調査を実施し,それぞれの所属する各学校種と実習生,指導者である教員との分析比較をした(研究分担者の論文を参考).その一方教科の内容にかかわる事柄や背景の学問や関係の資料,先行実践の結果も必要であり,重要と考える.調査結果の現実の要求と教員に必要な専門性を備えるよう、学生指導・支援を充実させたいと考えている.研究は(1)函館校に蓄積されてきた教育の先行研究成果のデータベース化(2)教科書の指導書・授業に関する直接的資料(授業指導案など)やその他文献などの資料に示されていない授業設計の手がかりや蓄積されにくい授業に関するスキル(暗黙知から形式知への明示化)の資料化(3)算数・数学教材の構造化,目標,授業の分析結果や教師によるコメント,メッセージ,発問等のデータベース化(4)談話タイプの数学学習プログラム「HASH」の(数学)教材を授業設計に活用をテーマとた。その結果,(1)算数・数学の授業設計を支援する教材情報システムの教材データベース構造の決定(2)教材の構造図と授業の意図・構想図及び学習プログラムの開発(事例の蓄積)(3)数学学習のための辞書整備拡充(4)数学的帰納法学習が数学学習プログラム「HASH」の構文解析の仕組みで実現可能などを得るに至った.今後は,教員免許法認定公開講座での利用を取り入れ、教員による評価を得ながら充実をはかる。今回は「算数」の授業を基にした調査をしたが,今後,本研究の考え方や方法を他教科へも拡大適用すること(教科教育研究)の可能性追及が課題である.
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