研究概要 |
本研究は,ブロードバンドインターネットの普及により,最近注目を浴びてきた遠隔授業に対して,大学等で行われている黒板やホワイトボードを使用した普通の授業・検討会の様子をカメラマンなしで撮影し,自動的に配信するコンテンツを作成する半自動化システムの実現を目指した。具体的には,次の2つのアプローチから基礎研究を行った。 1.撮影したいカメラ視野の自動決定に関する基礎研究 遠隔授業の受講生に講師が見せたいTVカメラの視野を自動的に選択し,その映像をカメラマンなしで撮影し,インターネットを通じて配信するアルゴリズムを新たに構築する。この研究では,受講生は何に注目しようとしているかを講師の動作を認識して,時々刻々コンピュータでファジィ推論により判断し,TVカメラの視野を計算し,パン・チルト・ズームができるコミュニケーション・カメラの視野を変化させて映像を撮影し,インターネットに配信するための技術開発を行った。 2.手書き文字列の認識とテキストデータのデータベース化の基礎研究 黒板またはホワイトボードに書かれた文字列や図形を抽出し,文字認識を行い,あらかじめコンピュータ内に蓄積してある知識データベースにアクセスし,関連する事項の説明文を自動選択して,受講生にキーワードの説明文を表示するシステムを実現させるための技術開発,特に問題点となった手書き接触文字列の分離法文書構造の自動理解を高度化し,知識データベースの自動作成に関する研究を行った。
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