研究概要 |
当該研究課題はマルチメディア・ネットワークを始めとする最新の情報技術,具体的には手書き文字認識技術・音声認識技術を始めとする信号処理技術,また,インターネットやWorld Wide Webをベースとした遠隔通信技術やマルチメディア技術を外国語教育(非日本人に対する日本語教育を含む)に応用するものであった. 初年度は日本語教育支援システムとして,(1)初心者でも検索可能なオンライン手書き入力による電子漢字辞書(2)学習履歴管理機能つき電子教材を開発した.また,ドイツ語教育支援システムとして,(3)音声認識技術によるチャットを利用した会話練習システムの開発,(4)Webブラウザ上で動作する統合的学習支援システムを開発した. 平成13年度は(1)に検索したい漢字の単純な特徴をいくつか入力することで検索できる機能を付加し更に初心者にとっても優しいインタフェースを実現した.(2)に関しては教材編集機能や教師用の学習履歴確認機能などを付加し,学習者のみでなく教師にとっても便利なシステムとなった.また(4)に関し,携帯電話でも学習できる機能を付加し,より時間的・場所的な拘束なく学習できる環境を整えた.また,それぞれに関し,実際の教育の場で試用を行い,アンケート等による調査を行った. 当該研究課題の成果について,2年間で合計国内発表4件,海外発表7件を行った.また,教育工学会論文誌と英文学会誌「Educational Technology Research」に論文の採録が決定した.加え,特許2件を申請中である. 本研究課題の成果により,効率のよいマルチメディア教育,場所や時間に自由度の大きい遠隔教育に関して,マルチメディア・ネットワークを始めとする情報処理技術を語学教育分野でどのように生かすことができるか,いくつかの例を示し,その学習効果や利便性を確認することができた.
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