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基礎造形教育におけるデッサンの目的と意義-絵画作品の幾何学的実証を通して-

研究課題

研究課題/領域番号 12680239
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教科教育
研究機関弘前大学

研究代表者

蝦名 敦子  弘前大学, 教育学部, 助教授 (20302010)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードデッサン / 基礎造形教育 / 均衡・調和 / 尺度 / 『画語録』 / 石濤 / 一画論 / 黄金比 / 幾何学
研究概要

本研究はデッサンに着目し、西洋のデッサンという概念のみならず、日本が大きく影響を受けてきた東洋画も視野に入れながら、デッサン-造形教育の基礎の問題について、新たな方法論によって再検討したものである。
デッサンの訓練や修練を通して、美の本質の一つとしての均衡・調和の感覚が養われるという理論的仮設を立て、科学的とくに幾何学的手法を用いることによって、その検証を試みた。その際、西洋では、均衡・調和の典型としての黄金比がこれまで造形の秘法として尊重されてきている。この黄金比を各時代を代表する記念碑的な芸術作品に適用してみることによって、画家の訓練された感覚によって作られた作品には、黄金比を充足する美的尺度、秩序の感覚が秘められていることが証明された。しかもこの仮説は、西洋の絵画ばかりでなく、広く東洋の絵画や書芸術にも同様に適用されることが証明されたのである。
本研究における問題設定としてのこの理論的洞察は、石濤の著作『画語録』の「一画」論に示唆を受けた。一画論とデッサンを比較させることによって、造形教育の基礎としてのデッサンの問題について、東洋も視野に入れながら共通点を考察し、その具体的方法論として、視点の意識と、その固定した視点から面の方向を観察する事の重要性が導き出された。
造形教育の中で、曖昧にとられかねない美的なものとしての均衡・調和の問題に、より明確な指針を与えるべく、科学的に踏み込んだ形で応えたものであると同時に、そのための基礎造形教育における方法論の一つとして、視点の意識と面の方向の観察が重要であることを呈示した。デッサンとは、極言すれば、自らの視点を鍛えることであり、自然の尺度、秩序を自分の感性の中に育てていくことこそが大事であるという結論に至った。

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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