今日、学校現場は、学級(学校)崩壊、校内暴力、不登校など、様々な問題を抱えている。本研究は、こうした学校現場の問題状況を克服するために、教師や生徒、教職を目指す学生に問題解決力を培うための教材作成とその実践を行うことを目的とする。すなわち、「ゲーミング・シミュレーション教材『学校』」を作成し、この教材を活用することで、彼/彼女らに学校や学校文化を相対化して学校を変革することのできる問題解決力を育成しようとするものである。 そのねらいを達成するために、以下のような手順を踏んだ。 (1)実態調査に基づく「ゲーミング・シミュレーション教材『学校』」の作成 (基本設定、シナリオ集、プロフィール集等から成る) (2)「ゲーミング・シミュレーション教材『学校』」によるワークショップ (学生・院生によるワークショップ) (3)教材及び実践の評価 (実践分析、教材評価等) (4)研究のまとめ 一つのゲーミング・シミュレーション教材「学校」は、一つの架空の中学校とこの中学に関わる人物達の役柄約250名から構成される。学習者達は、その中学校に関係するある一人の人物を受け持って、その学校の諸問題について役割演技で討論する。こうした討論を通して、学習者達が現実の学校や学校文化を対象化して、学校の問題の原因を考究し、より望ましい学校の在り方を考えられるようになる。 このようなゲーミング・シミュレーションによる学習活動を通して、学習者達は、彼らの問題解決力を培い、そして、今日の学校現場の問題を発見し、解決していくことができるようになる。
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