研究概要 |
アメリカにおける新しいフィットネス教育プログラムを検討し,わが国に適用可能なフィットネス教育プログラムの開発を試みた.このプログラムに基づき,試行的な実践を行い,開発プログラムの可能性を検討した.研究の結果は以下の通りである。 1.プログラムの目的と学習内容を検討した結果、健康志向、知識・技術の重視、生涯への展望など、これまでの体力づくりプログラムとは異なる特徴を備えていることが分かった。 2.第一期(H12年度)は、高校生・大学生を対象に計画立案し、試行的にフィットネス教育実践を実施した。プログラムの内容は、受講者向けに作成した「フィットネスHELPの学習」という小冊子に記述した。第二期(H13年度)では、前年のプログラムをもとに、大学生、及び中学生対象に授業を展開した。 3.学習者の行動学的変化,身体活動に対する態度や有能感の変化,および,知識や理解の達成度など総合的な検討を試みた. 中学生では、有能感や知識習得に向上が見られたが、身体活動への態度には変化がみられなかった。 高校生では、身体活動に対する有能感や態度に向上が見られた。 大学生を対象とした実践では,学習者の身体活動への態度,有能感,運動習慣のステージから,学習者の変化を検討した.また,学習者を身体活動に対する態度から3グループに分け,各グループの変化に着目した.この結果、授業前に低い得点を示した受講生は、身体活動への態度,有能感において向上がみられたが、高い得点を示した学習者には変化が見られなかった。運動習慣のステージ調査では,無関心期,関心期の受講生がより高いステージに移行していることが明らかになった.しかし,準備期などの比較的高いステージにある受講生には向上がみられなかった。
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