研究概要 |
レポート等の文章を書く能力を養成するための教材を作成した。理工系の留学生の最終目的が科学技術論文,レポート,レジュメを書くことを考慮して,題材を基礎科学分野(中学・高校レベル)からとった。開発教材は15のトピックからなっている。これらの教材の開発については「理工系留学生を対象としたボトムアップ型の作文指導および教材開発」という題で研究発表を行った。 上記の教材を使って留学生を対象に作文指導を行ったところ,1つの教材に対して様々な解答文が可能であることが明らかになった。そこで,科学技術文として適切な解答文はどのようなものであるかを明らかにするために,教材[木炭の燃焼]を使用して日本語母語話者73人の解答文を収集した。これらの解答文を工学部専門教官3人(分担者を含む)に評価してもらい,この結果について分析を行った。評価の高かった解答文の分析により,科学技術文として不可欠な要素が抽出された。また,評価の低かった解答文データから,不適切とされた箇所を取り出し分類した。この研究結果を,論文「科学技術作文教材の開発およびモデル解答作成のための解答文分析」にまとめた。 また,工学系学部日本人学生のレポート文を収集し,レポートの「考察」部分(一部結果を含む)の文章をデータベース化した。これらの文章を工学部専門教官に「考察」として適切な構成,表現であるかを評価してもらい,共通する欠点をまとめた。また,個々のレポートについてのコメントも記述した。
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