研究概要 |
準定常状態に基づくはばたきの基本飛翔モデルをベースに,蝶のはばたき飛翔モデルを構築した.本モデルによって、複数種の蝶の飛行特性を再現できることをシミュレーション実験により確認した. 蝶のはばたき飛翔モデルを鳥のはばたき飛翔モデルに拡張するため,鳥の翼の骨格モデルを構築し,これによるはばたき動作と,力の計算が行えるようにモデルを改良した.さらに,この鳥の飛翔モデルに対して,直飛,波状飛,帆翔,急降下などの鳥の飛翔形態を表現するための拡張を行い,異なる鳥の特徴的な飛翔を実現した. 飛翔制御法として,空間中に任意に配置された制御点を通過するように,鳥の行動を制御する手法を開発した.本手法では,上下左右の方向制御とバンク運動,および,はばたき振動数の制御を行うことにより,制御点を指定された順序で通過させることができる. さらに,鳥の群を表現する方法として,リーダ追跡型モデルとBoid型モデルを開発した.リーダ追跡型モデルは,群れのリーダを制御点に従って飛翔させ,その他の鳥がリーダを制御点とみなして追跡するものである.Boid型モデルは,Boidと呼ばれる群れの表現法を本手法に組み込んだものである.Boidでは,個体を移動させる移動ベクトルを生成し,それを,各個体に直接作用させるが,本提案モデルでは,鳥は,はばたきによる力のみによって飛翔しているため,移動ベクトルを直接鳥に作用させることはできない.そのため,各鳥ごとに動的な制御点を設定し,その制御点に対して移動ベクトルを作用させ,群れの飛翔を表現した.本手法によって,Pentium4 1.7GHz,ビデオカードにGForce3を使用したPCで約12羽の鳥の群れをリアルタイムに表示させることができる.
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