研究概要 |
本研究では,複合オブジェクト索引の分散・並列索引処理方式について,(1)水平・垂直の2次元方向での索引分割と並列検索モデルと評価,(2)ロッキングの範囲を最小限に抑制する検索・更新方式の提案・実装とその評価(3)AND, OR, NOT論理演算で結合された複合検索処理方式の実装と評価などの実用上の問題に対する対策を考案すると共に,それを実証するためのプロトタイプシステムの構築と評価を行った.これらのシステム実装を通じて,検索パフォーマンス上より基本的な以下の問題を確認した. すなわち,本研究では索引方式の一つとしてマルチインデックス方式を採用しているが、索引の並列・分散化に際しての問題は低充填率のパケットが多数発生し、それが通信コストの増大を引き起こす. この問題に対して、検索要求を格納する複数のパケットを1つのパケットに併合し、データ充填率を高めることと個々の検索要求に対する検索終了の判定機構を統合した効率よい方式を提案した。しかしながら、実用レベルで次の問題が残されていた。すなわち,索引分割による並列非同期検索のために、検索要求が連続的に発生するような状況においては、検索要求の追い越しが多く発生することである。並列検索終了判定機構との両立を図るためには、通信パケットの充填率が低下することを回避できないので、通信コストが増大し、検索ターンアラウンドタイムが低下していた。この問題に対しては、個々の検索要求に対して異なるマシン集合(実装システムではマルチスレッドの集合)をスケジューリングして、専用に検索処理させることにより、本質的に追い越しが生起しない方式を提案した。 これらの解決策を取り込んだ実装システムについて,評価を行い,その有効性を検証した.
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