研究概要 |
学習グループは個々の構成員に対して様々な形態の学習の場を提供する機能的組織と考えられる。協調学習支援システムの研究事例では,固定した学習グループや単純な形式の学習ペアの形成を前提としているものが多いが,協調学習のメリットを最大限に活用するためには学習文脈に適合する合理的な学習グループを動的に形成することが望ましい。本研究では,適切な学習グループを合理的に形成するための知識工学的な計算機モデルを明らかし、その実用可能性をシステム構築を通じて検証することを目的としている。具体的には、 (1)協調学習に特徴的な学習目的、学習グループの形態などの教育学的知識の収集を目的として文献調査を実施し、本研究に必要な範囲で体系化する。 2)学習グループ形成のための知識工学的計算機モデルを実装する。 (3)ネットワーク上に分散した学習環境が相互にネゴシエーションを行い適切な協調学習環境を形成するための分散アーキテクチャ(知識レベルでの通信規約を含む)を設計・開発する。 (4)先行研究において構築済みの実用規模の物理(高校1,2年程度)を対象とした協調学習システムに(3)の成果を組み入れ、運用実験を行いながら学習グループ形成モデルの問題点を明らかにし,実用性を高めるために洗練する。の5点に焦点をあてて研究を遂行した. 学習グループの形成メカニズムの実装:ネットワーク上に分散した学習者間での協調的な学習を円滑に進めるためには「誰と誰が,どの話題について,どのように学習するか」ということを適切に設定する必要がある。このためには各学習者にあい対している個々のシステムが,協調学習の適切なタイミングを検知し,適切な学習グループを形成するためのネゴシエートする能力を備えている.
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