研究概要 |
「アフィン変換で不変なウエーブレットと機械学習を組み合わせた類似画像検索」を提案し,過去2年間にわたって研究した.研究目的は変わらないものの,問題解決の方法は当初の提案とは異なるものとなった.予定していた「アフィン変換で不変なウェーブレット」は結局用いないこととした.アフィン変換で不変なウェーブレットが有効なのは,画像中に検索対象物以外のものが写っていない場合に限られることが分かったからである. 本研究の成果は,ウェーブレット変換を用いる領域ベース類似画像検索法[5,6,1,2]である.ウェーブレット変換は人間の初期視覚情報処理との類似性も指摘されており,画像処理技術として期待されて様々な応用が研究されてきた.しかし,ウェーブレット変換を用いた類似画像検索システムの多くが一枚の画像全体を単位としたものであり,画像内に写った物体などの領域を単位とする検索が可能な領域ベースのシステムは少ない.ウェーブレット係数からテクスチャ性の特徴量を計算することで画像分割と各領域に対する索引付けを行う.提案した手法は,ウェーブレット変換を用いた他の領域ベースのシステムに比べ,テキスチャー性の特徴量を効率よく抽出できる点,および階層的な画像分割を行う点が特長である.
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