研究概要 |
本課題では,デザイナの頭の中にある漠然としたイメージを形に具体化したり,抽象的な感性語からCG(Computer Graphics)モデルを導出したりすることが可能なスーパデザインテクノロジーに関する研究を行った.このために,手振りによる造形インタフェースや遺伝的アルゴリズムによる形状創作支援方式を新たに考案し,仮想環境で造形試作が可能なシステムを実現した.さらに,仮想環境技術が十分に活用されていなかった伝統工芸品のデザイン,都市計画,製品の意匠設計などを題材に応用システムを構築し,開発した手法の有効性について評価・検証を行った.これらの研究を通じて以下のような成果が得られた. 1.人が対面対話で利用する直観的な手振り動作をCGモデルの成形・変形操作にそのまま利用可能な手振りによる3次元形状デザインシステムを考案した.これにより,言葉では表現しにくいものの形や大きさなどを直観的に表現しながら容易にCGモデルの制作が可能な造形システムを実現した. 2.従来型の造形法で最も熟練を要する形状パラメータ値の設定を,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて計算機で自動化するGAによる創作支援型デザインシステムを新たに設計・開発した。これにより,利用者は計算機から提示される複数の形状を主観的に評価しながら新しい形状のイメージ化と着想に集中できる造形環境を実現した. 3・都市計画・評価,土木施工計画・管理,花火アニメーション制作,および陶芸品データの分類・検索を題材とする仮想環境応用システムを開発し,上記1および2の研究成果の有効性について評価・検証を行った. 以上の成果は・IEEE/ACM主催の国際会議および情報処理学会/電子情報通信学会論文誌等で公表し,その一部については特許化を行った.
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