研究概要 |
DS-CDMA方式は,ユーザの要求及びシステムの要求に柔軟に対処できるため,次世代の通信方式として期待されている。本研究では,DS-CDMA方式を用いた移動通信システムの理論モデルを設定し,モデルの解析及び数値計算を行うことによりDS-CDMAシステムの基本特性を以下のように明らかにした。多対多通信を基調とするコンピュータネットワークにおいて他の送信者から受信する情報群をそれらの時間的・空間的な相互関係を考慮して統合するための方式を検討する。本研究では,符号分割多重による無線アクセス方式(CDMA)を考察の対象として,以下のような結果を得た。 1.DS-CDMA方式の直交コードを用いたマルチレートな通信システムにおいて,コードの利用状況とユーザの要求するサービス品質に合わせて直交コードのコードツリーを再構成する方式を提案した。 2.フェージング環境でセルラ領域内に均一なサービスを提供するために送信電力制御を行うと,送信電力制御なしの場合に比べ約3倍のシステム容量が得られることを示した。 3.周波数の有効利用率向上をはかるために,オーバレイセルラシステムを構成し,その可能性について検討した。TDMA/W-CDMA, N-CDMA/W-CDMAオーバレイシステムを取り上げ,干渉抑制法を提案し,その効果について考察した。送信電力制御を仮定し,種々のシャドウイングとフェージング制約条件の下で,各々の上りリンク容量のトレードオフや周波数の有効利用率について検討した。
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