研究課題/領域番号 |
12680435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
田中 健次 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60197415)
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研究分担者 |
伊藤 誠 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (00282343)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 組織事故 / ヒューマンエラー / コミュニケーション / インシデントレポーティングシステム / 事故調査 / 事故解析 / 未然防止 / 医療事故 / インシデントレポーテイングシステム / ソフトシステム方法論 / 医療問題 |
研究概要 |
本研究は、ヒューマンエラーの原因を対象システムや管理組織内に追究するための解析方法を検討し方法論として確立することが目的であり、下記の5つの観点で研究を進めた。 1.既に発生した事故の組織事故としての解析と方法論:ヒューマンエラーに原因があると考えられる事故を組織事故として解析し直し、背後に存在する重要な観点、見落としがちな側面、特に情報のコミュニケーションプロセスなどに着目、事故解析の方法論の構築を試みた。 2.組織事故の共通モデル:近年発生した地下鉄脱線事故、臨界事故、食中毒事故などを具体的に解析し、日本での法規制や慣習も考慮して、分野の異なる事故に共通する枠組みを抽出、組織事故解析のための共通モデルを提案した。 3.事故調査・事故報告書の現状分析と有効活用のための体制と仕組み:日本での事故調査方法や調査主体の構成などを具体的に調べ、特に、報告書を活用する人の視点から問題点を明確にし、報告書から学ぶための新しい社会的仕組みや制度、報告書のあり方を提案した。様々な分野、業界に留まらず、業界を超えて事故情報が利用されるために、事故情報の共有システムの構築、情報の有効活用のための仕組みの確立を提言した。 4.組織事故の未然防止とヒューマンファクターズ:組織事故を未然に防ぐためのインシデント・レポーティング・システムの航空業界や医療分野での活用状況を調査し、導入効果や運用上の問題点を抽出、分析した。 5.信頼とリスク・コミュニケーション:ヒューマンエラーの要因の一つと考えられる人間の信頼感(trust)に着目、過信や不信のメカニズムを追究した。法規制や慣習が及ぼす影響、安全情報の解釈や安全に対する考え方など安全文化に依存する信頼の構造は、認知実験で解き明かした。組織事故の観点から人間エラーを未然に防止するための指針に結び付けられる可能性が大きい。
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