研究概要 |
複数の意思決定者が関与する決定問題で,必ずしも問題が明確に定義できない場合や,意思決定者の決定に関する首尾一貫性を強く仮定できない問題を取り上げ,特定の意思決定者に対して,いかに行動すべきかについての助言を与えるという立場から問題を検討し,その意思決定者の選好や何らかの信念あるいは価値観を導入すると同時に他の意思決定者の行動に対するある種の予測を与えることによって,意思決定者のとるべき戦略を最適化問題として定式化し,その解の計算方法を開発した. 具体的には次の4つの段階で進めた. 1.ファジィ環境および多目的環境での階層的意思決定問題を取り上げ,合理的な戦略の定義と方法論の研究を行う. 2.開発したモデルと計算方法に基づく支援システムを開発する. 3.開発したモデルと計算方法に基づく支援システムを用いて現実の問題に適用する. 4.モデル中で条件として与える,たとえば全体合理性のような社会規範が,どのような社会で支持されるかをマルチエージェントによる人工社会モデルで検証する. 上記の研究のそれぞれについては,一部成果が得られ論文として発表し,平成13年度の国際会議で研究発表を行った.残りの成果については国内および国際雑誌への投稿論文として執筆の用意をしている.また,以前から進めていた研究と関連するテーマは「11.研究発表」に示すように図書"Fuzzy and Multiobjective Games for Conflict Resolution"としてまとめた.
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