研究概要 |
本研究は,半無限計画に対する効率的,すなわち大域的収束性および優れた局所収束性を持つ,数値解法の開発を目的とし,そのために必要な範囲で,半無限計画問題の最適性条件の解析および双対理論の構築等を行なった。さらに,ここで開発した算法に基づいて,半無限計画一般を対象とした汎用ソフトウェアパッケージの開発を行なうことを最終目的としている。 本研究においては,(1)凸の半無限計画問題に対する双対理論に基づく算法,(2)非線形の半無限計画問題に対する,逐次2次計画の枠組の中での,局所縮約に基づく算法,(3)非線形の半無限計画問題に対する微分不可能最適化理論に基づく算法,を中心に数値解法の開発を進めた。また,(4)切除平面法に基づく近似的な算法,および(5)切除平面法により任意の精度の近似解を得てから局所縮約法など局所収束性のよりすぐれた厳密解法に移行するいわゆる2段階法,の開発と実装を行なった。さらに,今後展開を予定している方向として,(6)連続的降下法に基づくパス追跡法の試みとこれに関連して硬い常微分方程式系の積分法に関する数値解析的考察,また(7)半正定値緩和に基づく数値解法に関しての準備的な数値実験および理論的考察を行なった。 次に,ソフトウェアパッケージの開発に関しては,これまでに本研究で行なってきた最適フィルタ設計,大域的最適化,min-max問題,無限ゲーム,最適制御などへの適用・実装に基づいて,関連ソフトウェアおよび文書の整備を行なった。開発したパッケージについてはなるべく早い時期にウェブ上での公開を目指したい。
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