研究概要 |
1)まず,ドリフト波・ドリフト波渦を記述する長谷川・三間方程式,ドリフト波・ドリフト波渦とロスビー波・ロスビー波渦の対応関係について述べ,双極ドリフト波渦の理論に触れ,さらに長谷川・三間方程式を用いた単極ドリフト波渦の計算結果を示した.このような理論背景を基礎として理論的に予想される単極ドリフト波渦の実験を試みた. 2)実験的には,まず磁場と密度勾配に垂直に伝播するドリフト波の分散式を確定し,さらに単極ドリフト波渦を初めて見い出した.単極ドリフト波渦は,短波長のドリフト波を後方に放出しながら,ドリフト波の速度に近い速度でドリフト波に乗って伝播する.さらに,計算結果に見られるような正電位の単極ドリフト波渦の$x$の負の方向へのドリフトをも,初期的な結果であるが観測している.しかしながら渦強度の強いと複雑な運動をするため、解析は容易ではない. 3)以上,単極ドリフト波渦を初めて見い出し、その性質を明らかにした.ドリフト波およびドリフト波渦は,熱核融合を目指すプラズマの閉じこめを支配する重要な物理現象であり,その物理を解明することは重要である.今後,さらに双極ドリフト波渦を含めたドリフト波・ドリフト波渦の物理的性質の実験的解明を志したい.
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