研究課題/領域番号 |
12680482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
谷川 隆夫 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (70207174)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 熱性キャビトン / 電離層プラズマ / 能動電離圏実験 / オーム加熱 / プラズマ輸送現象 / イオン波乱流 / ラングミュア乱流 / 低域混成波 |
研究概要 |
1.電離層は、境界の影響を無視できる、閉じ込めの極めて良い、巨大なプラズマの実験室である。このプラズマを、強力な(実効電力100MW級)、短波域(3-10MHz)の電波で10分間以上にわたり照射する"能動電離圏実験"では、(高度範囲が数十kmの)大規模な、密度変調度が50%近くにも達する低密度の"穴"が電波の反射層域に発現することがある。反射層付近のプラズマが入射電波によりオーム加熱されプラズマ圧が上昇し、その領域から粒子が排除されるという過程で大雑把に現象を説明できることから、この巨大な低密度の穴を"熱性キャビトン"と呼ぶ。 2.米国領プエルトリコのアレシボ電波天文台で最近実施した能動電離圏実験で観測された熱性キャビトンに関する新データを解析した結果、1)反射層域で電子温度が加熱前の5倍程度上昇すること、2)熱性キャビトン内で強いイオン波乱流が生じている兆候があること、3)自然現象として発生した弱い低密度部位と熱性キャビトンが融合し磁力線に沿ってゆっくりと移動することがあること、等を見出した。 3.投入された電波のエネルギーに鑑み、生成された熱性キャビトンはしばしば巨大にすぎ、一見エネルギー収支が合わない。この問題を解決するため、初期プラズマ中の弱い密度変調により入射電波の強度が局所的に増大する効果を現象論的に取り入れた熱・粒子輸送モデルを構築し数値解析を試みた。未だ現象を100%理解するには至っていないが、結果は肯定的である。モデルにさらなる改良を加える計画である。 4.能動電離圏実験の際生じるプラズマ乱流を模擬する室内実験を実施し、初期に励起されたラングミュア乱流からイオン波、低域混成波などの低周波モードが派生することを観測した。熱性キャビトン生成・消滅に対するこれらの影響を解明すべく研究を続行する計画である。
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