研究課題/領域番号 |
12680578
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
大澤 敏 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50259636)
|
研究分担者 |
小川 俊夫 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50183249)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | ポリ乳酸 / ポリブチレンサクシネート・アジペート / ポリカプロラクトン / 生分解性プラスチック / コロナ放電処理 / 表面処理 / 抗菌物質 / 分解制御 / 天然抗菌物質 / コンポスト / ポリブチレンサクシネート |
研究概要 |
本研究では材料そのものは生分解性を有し、表面の化学構造だけを改変して生分解速度を制御することを試みた結果、主として以下の3点について成果を得た。 1.ポリ乳酸(PLA)にコロナ放電処理を施すと分解が一定期間抑制されるが、ポリカプロラクトン(PCL)およびポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)フィルムでは逆に分解が促進されることが明らかになった。また導入される官能基量を変化させても上記の傾向は変化しなかった。PLA処理表面では乳酸が生成され、乳酸の抗菌性が分解を一定期間抑制すると考えられた。 2.コンポストから単離した一般細菌、放線菌、糸状菌を上記3種のプラスチック表面に塗布して親和性を調べた結果、PLA処理面ではすべての菌に対して抗菌性が発現していることが分かった。PCLとPBSAについては処理面での微生物の増殖が促進された。また脂肪族ポリエステル分解酵素であるリパーゼの吸着量も処理面で増加した。これらの結果は(1)の実験結果を支持するものであった。 3.PCLとPBSAについてはコロナ放電により含酸素官能基を導入すると、微生物との親和性が向上するため分解を促進することはできたが抑制することはできなかった。そこで、わさび、からしなどの抗菌成分であるシニグリンをコーティングした試料を作成した。シニグリンはコンポスト中の植物細胞中に存在するミロシナーゼによって分解され微生物に直接抗菌作用のあるアリルイソチオシアネートを放出する。そのため微生物数が多くコンポスト中の植物性成分の分解が進むと抗菌効果も大きくなる。即ち、微生物数の増加をシニグリンコーティングPCL試料が自己認識して抗菌作用を働かせる構造が予想された。その結果、シニグリンコーティング試料は一定期間初期物性を保ちその後速やかに分解した。シニグリンのコーティング濃度を可変することで1〜3週間程度分解を抑制しその後1週間以内に分解する構造を構築することができた。
|