研究分担者 |
浮田 正夫 山口大学, 工学部, 教授 (60035061)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889)
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
今井 剛 山口大学, 工学部, 助教授 (20263791)
関根 雅彦 山口大学, 工学部, 助教授 (30163108)
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研究概要 |
1)本年度は、魚槽-海藻床-干潟動物ろ床-調整槽による実験の他、干潟動物ろ床を省いたシステムでも実験を行なった。魚は成長した鯛(約2kg)6匹を用いた。不稔アオサ1kg,干潟動物としてイワムシ0.1g程度のものを2400匹それぞれ充填して実験を行った.本年度は特にアオサの窒素吸収について実験を行った.実験開始3年が経過したが,その間トラブルによる死亡はあったものの,現在までシステムの弊害による死亡はなかった.このことから本システムは有効であると考えられた.2)アオサ育成槽の日光照射面積を変えた実験を行った.アオサ育成の第一条件は照射量が最も重要である.この点については定量化することができなかった.3)アオサ育成槽の滞留時間を変化させその影響について調べた.滞留時間は短いほどよい結果であった.このことは栄養が常に供給されることが必要であることを示している.4)底生動物ろ床と砂ろ床および(砂+動物ろ床)について比較したところ、(砂+動物ろ床)が最も優れていた。これは砂が底性動物にとって良好な環境であることを示す.5)窒素は硝酸塩の形でアオサに供給される.硝酸塩が蓄積するとpHの低下を促進し,それが原因となって二酸化炭素の減少を招き,光合成が阻害される.この二酸化炭素は魚などの呼吸と空中から補給されるものである.6)TOCについては15mg/L程度で安定し,十分い養殖可能範囲であった.以上の結果から,本システムにおける海水浄化をアオサ,底性動物などの利用により,固定あるいはろ過する道具として採用することは十分に可能であることが明らかとなった.ただし,物理的,化学的方法などに比べると速度が遅いため,十分な容積を必要とすることが課題として残っている.
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