研究課題/領域番号 |
12680598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
上田 実 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60265931)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 就眠運動 / 覚醒物質 / 蛍光プローブ / 光親和性プロープ / 受容体 / マメ科植物 / 光親和性プローブ / ネムノキ / カワラケツメイ / マメ科 / 除草剤 / 蛍光プローブ化合物 / 水分蒸散 / クチクラ蒸散 / ギンネム |
研究概要 |
マメ科植物が、夜になると葉を閉じ、朝には再び葉を開く就眠運動は、生物時計によってコントロールされている。就眠運動は、古くはアレキサンダー大王の時代から記録に残っており、また生物時計との関連から世界中で膨大な研究がなされてきた。しかし、運動を引き起こす化学物質の単離は極めて困難で、その化学的研究は不可能とされていた。 就眠運動における最大の難問は、「植物はなぜ眠るのか?」という問題であり、これは進化論のダーウィンら大科学者をも悩ませた歴史的難問である。この問題を解決するために、世界中の研究者が、分子生物学的手法(遺伝子ノックアウト法)によるこの難問の解決を目指したが、成功例はなかった。我々は,β-グルコシダーゼによる加水分解を受けない非天然型活性物質を合成し、科学史上始めて植物を人工的に「不眠症」にすることに成功した。この結果、「不眠症」となった植物は、一週間程度で枯死してしまうことが分かり、就眠運動はマメ科植物の生存に不可欠な生命現象であることが示唆された。 一方、活性物質を基に設計した各種プローブ化合物を用いて、就眠運動の生物有機化学的研究を行った。徹底的な構造活性相関研究に基づいて、天然物にほぼ匹敵する活性を示す蛍光プローブ化合物を開発し、これを用いて、活性物質が就眠運動に際して中心的な役割を担う運動細胞に直接結合することを明らかにした。この結果は、運動細胞表面に活性物質の受容体が存在することを示唆するものである。さらに、精密分子設計に基づき、活性部位近傍に光親和性基を配置した光親和性プローブ化合物を合成し、活性物質受容体候補タンパク質(分子量150-200kDa程度)の検出に成功した。今後、受容体分子の精製、精密解析を通じてシグナル伝達機構へと研究を展開させる。
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