研究課題/領域番号 |
12680626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 義文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70292852)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 癌細胞 / 浸潤・転移 / 膜型マトリックスメタロプロテアーゼ / MMPの活性化 / MT1-MMP / 2量体 / proMMP-2 |
研究概要 |
可溶型のMMP2は潜在型として組織中に存在するが、活性化に際しては細胞の表面に濃縮される。この際にTIMP-2が、N末のインヒビタードメインにてMT1-MMPと結合し、C末のドメインにて潜在型MMP-2の結合することによって、MT1-MMP発現細胞に潜在型MMP2が結合する為のアダプターの役割を果たす。複合体中のMT1-MMPは抑制状態にあるためにMMP2の活性化はできない。そこで近接した位置にありアクチベーター役として働くもう1分子のMT1-MMPが必要である。このような2分子のMT1-MMPが近接する仕組みを検証した。リコンビナント酵素のゲルろ過による精製過程で、MT1-MMPが見かけの分子量の整数倍の位置に溶出することを見出した。このような複合体形成はPEXドメインに依存した。実際の細胞上でもこのような複合体が形成されていことは、FLAGおよびMyc-tagで標識した分子を同時に発現して、抗FLAG抗体によってMyc-tag標識した分子が共沈すること、また、逆の実験が成立することで示された。PEXドメインを欠いた変異体MT1-MMPには複合体系性能はなく、同時にMMP-2の活性化能も失っていた。次に、細胞外領域はMT1-MMPに由来し、細胞膜貫通および細胞内ドメインは神経成長因子受容体(NGF-R)に由来するキメラ蛋白質を細胞に発現させて、MT1-MMPのホモ複合体形成を可視化することを試みた。MT1-MMPは細胞運動に際して運動の先進部に局在することが知られている。細胞に活性型Racを発現させて、MT1-MMPがラメリポデイアに局在するような状況を作ってやると、NGF-Rのリン酸化が細胞外のPEXドメインに依存して同様の場所で引き起こされることを確認した。同時にMMP-2の活性化も誘導されることが確認された。
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