研究課題/領域番号 |
12680628
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松山 東平 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00047200)
|
研究分担者 |
松下 貢 中央大学, 理工学部, 教授 (20091746)
仲川 洋治 新潟大学, 農学部, 教授 (10018799)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 細菌 / バイオフィルム / 薬剤耐性 / Serratia marcescens / 細菌集団体制 / 膜脂質 / 濾過膜 / Pseudomonas aeruginosa / バイフィルム / 細菌集団行動 / 表面 / Bacillus subtilis / Proteus mirabilis / 集団構造 |
研究概要 |
1.バイオフィルム(Bf)中に介在する細胞間多糖により薬剤の細胞到達が低下し、Bfが薬剤耐性を示すと考えられている。他の理由も考えられ、それを明らかにすべく、Bfが形成されているのに、薬剤耐性を示さないSerratia marcescens変異株を、独自の方法で分離し、その変異遺伝子をホモロジー検索で機能解析した。これら変異株の浮遊菌薬剤感受性は変化しておらず、Bf状態特異的な薬剤耐性発現の障害と判定した。変異の内容は、LPS合成に関与するもの、細胞外多糖の合成に関与するもの、siderophore細胞内取込みに関与するものであった。それらがBfという集団レベルでの薬剤耐性にどう関わっているかの詳細解明は、これからである。 2.Bfでは、酸素分圧、pH、栄養分などが部位別微環境レベルで異なっており、種や生理状態が異なる細菌集団が拮抗や協力しあって特異な生活集合体を作っている。その一部でも薬剤耐性を示すとBfは生残する可能性がある。我々はS. marcescensやPseudomonas aeruginosaなどがリン欠乏状態になると、リン脂質主体からオルニチン脂質主体の細胞膜になることを見いだした。細胞膜の変化は、薬剤や、物理化学的ストレスへの感受性変化に繋がると考え、抗菌剤、熱、pHへの感受性が、オルニチン脂質主体の細胞膜を持つようになった菌でどうなのか調べた。これまでのところ、薬剤感受性に大きな変化は認められていないが、低pHへの抵抗性が著増していた。 3.我々は、Bfと共存の浮遊菌も薬剤耐性を示すことを見いだした。Bf由来のシグナル物質の働きと考え、濾過膜上にBfを作らせ、その濾過膜で仕切られた別室に浮遊菌を入れ、薬剤感受性を調べた。浮遊菌は確かに低感受性を示した。この実験では予想外の結果も得た。濾過膜で仕切られた別室にBf形成菌が移行しているのを認め、0.22μmポアサイズの濾過膜をP. aeruginosaが自力で通り抜けていることを発見した。
|