研究課題/領域番号 |
12680640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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研究分担者 |
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 助教授 (80230415)
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 2-アラキドノイルグリセロール / カンナビノイド受容体 / CB2 / HL-60細胞 / MAPキナーゼ / アナンダミド / ケモカイン / 血圧低下 / 神経伝達 / 血管系 |
研究概要 |
今回の研究により以下の点を明らかにした。 1.多数の2-アラキドノイルグリセロールアナログを調製し、HL-60細胞を用いて構造活性相関を詳しく調べた。その結果、2-アラキドノイルグリセロールの活性が最も強いことがわかった。カンナビノイドCB2受容体は2-アラキドノイルグリセロールの構造を厳密に認識していることから、カンナビノイドCB2受容体の本来の生理的なリガンドは2-アラキドノイルグリセロールであると考えられる。一方、Δ^9-テトラヒドロカンナビノールには部分作働薬としての活性しかないことがわかった。 2.2-アラキドノイルグリセロールの作用をHL-60細胞を用いて解析を行い、2-アラキドノイルグリセロールがp42/44MAPキナーゼの活性化を引き起こすこと、IL-8やMCP-1などのケモカイン産生を増大させることなどが明らかとなった。2-アラキドノイルグリセロールは免疫・炎系で重要な役割を演じているメディェーターである可能性がある。 3.次に、2-アラキドノイルグリセロールを蛍光誘導体にし、HPLCを用いて定量を行った。その結果、ピクロトキシニン等の中枢神経興奮薬を投与したラットの脳では、2-アラキドノイルグリセロールのレベルが著しく上昇していることが明かとなった。また、脳ホモジネートをカシウムイオンの存在下インキュベートすることにより、2-アラキドノイルグリセロールが速やかに生成することが分かった。2-アラキドノイルグリセロールは神経系において重要な役割を演じているメディエーターである可能性が高い。 4.2-アラキドノイルグリセロールを動物に投与することにより、血圧低下が起きること、摘出したラットの心臓の血管においては、ノルエピネフリンの放出を増大させることなどが明かとなった。2-アラキドノイルグリセロールは血管系においても、何らかの重要な役割を演じている物質である可能性がある。
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