研究課題/領域番号 |
12680642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤井 茂 関西医科大学, 医学部, 教授 (60144482)
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研究分担者 |
中川 学 関西医科大学, 医学部, 助手 (50261053)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞性粘膜 / 分化因子 / 糖タンパク質 / タンパク質構造 / 糖鎖 / 細胞性粘菌 |
研究概要 |
私たちは、すでに細胞性粘菌の予定胞子分化誘導因子を精製し、その部分アミノ酸構造をN末端を含め四ヶ所明らかとしていた。これらのアミノ酸配列をもとにオリゴヌクレオチドを作成し、それをプローブとしてこの因子をコードしているクローンを単離した。そのクロ-ンから本因子のオープンリーデイングフレームは1674ヌクレオチドであり、本因子はアミノ酸557残基からなるタンパク質として生合成されることが明らかとなった。また、本因子のN末端のアミノ酸配列から、この生合成されたタンパク質のN末端側19残基が切断され、生合成上20番目のアミノ酸残基であるグルタミン酸が環化したピログルタミン酸が本因子のN末端となっていることも明らかとなった。この本因子の一次構造の結果は、タンパク質としての分子量が約6万であることを示しており、SDS-PAGE上の見かけの分子量約10万8千と大きく異なっていた。この大きな差異の要因の一つとして、糖鎖の存在などが考えられるが、一次構造からアスパラギン結合型糖鎖が結合可能な部位が6ヶ所存在すことが明らかとなった。また、各種のグリコシダーゼ処理およびレクチンカラムとの結合実験結果からも、アスパラギン結合型糖鎖のマンノースコアの存在が明らかになった。 さらに、大腸菌を宿主細胞とした本因子の発現には、フレームシフトや他の塩基配列の挿入が起こり、成功しなかった。しかしながら、粘菌を宿主細胞として、アクチン15プロモーターに本因子の遺伝子を結合したプラスミドを導入したところ、本因子の発現量が20倍程度増加し、発現量に対応して分化誘導活性の上昇がみられた。これらの結果から、本因子が、予定胞子分化誘導に関与するものであることがより明らかとなった。
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