研究課題/領域番号 |
12680662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
大畠 玄久 名城大, 理工学部, 教授 (70142297)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 蛋白質 / 水和 / アポミオグロビン / 熱力学 / 誘電測定 / β-lactoglobulin / データベース / 変性 |
研究概要 |
1.蛋白質の会合に及ぼす水和の影響 β-lactoglobulin蛋白質はpH3で塩がないときは単量体で、塩の存在下で二量体を作ることが知られている。この蛋白質の解離と会合のエネルギーと比熱の変化を大阪大学の超遠心機と等温滴定型熱量計で測定した。蛋白質が単量体から二量体に会合するとき、単量体のある部分は水に接触しなくなるので、その部分の表面積を計算することによって会合の熱力学量が計算できる。この実験的に得られた比熱の変化は、理論的に二量体の構造の表面積から計算することができる。実験では比熱の変化は-0.75kJ/K/mol of dimer(NaClO_4)となり、理論的に得られた水和による比熱の変化-0.72kJと良い一致を示した。 2.誘電測定による蛋白質の水和数の決定 電気双極子をもつ物質に電場をかけると、電場の方向に電気双極子が配向する。この電場をきると、もとの向きにもどる。このもとの向きにもどる時間は緩和時間と呼ばれ、溶媒の粘性と双極子分子の大きさや形状に依存して決まる。蛋白質分子と水分子は電気双極子をもつため、電場をかけて誘電率を測定し緩和時間を求めることによって蛋白質分子が水分子と何個水和しているかという水和数を決定することができる。酸素を運ぶ蛋白質であるミオグロビンからヘムをとった蛋白質はアポミオグロビンと呼ばれている。このアポミオグロビンの水和数を誘電測定により求めた。この水和数はpH5の天然状態では590個、pH4のMolten Globule状態では630個、pH3の変性状態では1110個であった。いろいろな状態における蛋白質の水和数の決定はこれが世界で初めてなので、この論文が契機になっていろいろな議論がおこってくると考えられる。
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