研究課題/領域番号 |
12680667
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
尾西 裕文 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (80092542)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 平滑筋ミオシン / ATP加水分解 / モーター機能 / カルシウム調節 / 人工変異ミオシン / 軽鎖リン酸化 / 活性中心 / 調節軽鎖リン酸化 / アクチン繊維 / 筋収縮 / 軽鎖成分リン酸化 / 収縮調節 / 分子モーター |
研究概要 |
平滑筋においてはミオシンリン酸化が筋収縮のトリガーとして非常に重要な役割を持つ。それにも関わらず、その作用機序は解明されていない。本研究では、遺伝子工学的手法を駆使して、平滑筋ミオシンのモータードメインに改変を加え、機能調節がどのようなメカニズムで起こっているかを解明することを目的とする。本研究によって次の4つの新たな知見が得られた。 1.オシンモータードメインのArg-247とGlu-470が直接ATP加水分解に関わることが明らかになった。これらの残基はATPのγ-リン酸に攻撃して加水分解を起こす水の位置決定に重要な役割を果たすことが判った。 2.Trp-546-Phe-547-Pro-548の疎水性残基クラスターおよびLys-576およびLys-578の塩基性残基がアクチン結合に非常に重要であることがわかった。また、前者と後者の役割の違いが明らかになった。すなわち、前者はアクチンによるATPase活性化に非常に重要であるが、後者はアクチンの結合・解離の平衡に関係することがわかった。 3.リン酸化によるミオシンの調節に双頭構造がどのように関与するかを研究した。その結果、二つの完全な頭部が揃っていることが調節の必須条件ではなく、二つの調節軽鎖があれば、残った一つのモータードメインはリン酸化による調節を受けることが明らかになった。この結果から、我々は二つの調節軽鎖の間に起こる相互作用が調節には非常に重要であると結論した。 4.非筋細胞のストレスファイバーの収縮に非筋細胞ミオシンのリン酸化が必要であることが明らかになった。リン酸化はカルシウム依存性と非依存性の二つがあり、カルシウム依存性のリン酸化ではミオシン軽鎖キナーゼの関与が考えられ、また、カルシウム非依存性のリン酸化ではRho-キナーゼの関与が考えられることがわかった。
|