研究課題/領域番号 |
12680693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 理化学研究所 (2001) 京都大学 (2000) |
研究代表者 |
前川 みどり 理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 専門職研究員 (70314185)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Rho / ROCK / Y-27632 |
研究概要 |
本研究は低分子量G蛋白質Rhoによって活性化される蛋白質リン酸化酵素ROCKの基質蛋白質を検索し、その蛋白質の機能を調べることによって、Rho/ROCKを介した多彩な情報伝達経路を解明することをめざしている。 in vitroの系での検索結果をin vivoで検証するには、多くの解析を必要とするので、本研究の戦略としては、近年確立された特異的ROCK阻害薬(Y-27632)とLPAを用いて、ROCKの下流に存在しているリン酸化基質をin vivoの系で検索する方法を用いた。LPAに感受性のあるN1E115細胞、Swiss3T3細胞、MM1ラット肝ガン細胞の系で詳細な検索を行ったところ、N1E115細胞から1つめのリン酸化基質の候補として、200Kの蛋白質が、Swiss3T3細胞から2つめの候補として、25Kの蛋白質が見つかった。質量分析解析の結果、200Kは、フォドリンであった。しかしながら、その後の確認実験の結果、フォドリンは、Rho/ROCK特異的にリン酸化されないことがわかり、検索でpositiveとなったのは、高分子ゆえのartifactであると思われた。25Kは、確実な質量分析をするだけの蛋白量が確保されなかったが、その等電点と質量分析での微少なシグナルのパターンから、ミオシン軽鎖(MLC)であろうと思われた。そこで、ミオシン抗体を用いてウェスタンブロットを行ったところ、25KがMLCであることが明らかになった。MLCは、既にROCKの下流にある基質として報告されている。 残念ながら、本研究では、ROCKの新たなる基質の同定には至らなかった。 しかし、同方法は、検索システムとして有用であり、LPAによって誘導される細胞の表現型が上記のものと異なるような細胞、例えばprimaryの培養細胞系等を用いて、再度検索するのは充分意義があると考えられる。
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