研究課題/領域番号 |
12680695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 重臣 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70271020)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | アポトーシス / ミトコンドリア / Bax / シトクロムc |
研究概要 |
本研究の目的は、多くのアポトーシスのシグナル伝達において必須の現象であるミトコンドリアの膜透過性亢進現象の分子機構を明らかにすることである。具体的には、1、Baxのミトコンドリアへの移動を制御している蛋白の同定を行い、Bax移動のメカニズムを解明する、2、BaxやBid以外のミトコンドリア変化を惹起する蛋白を同定し、そのメカニズムを解明する、ことである。 1,Bax移動機構解析-正常細胞質画分中にBax結合蛋白質が存在することを見出した。免疫沈降法により、この蛋白質は14-3-3蛋白質であることを見いだした。14-3-3とBaxは正常細胞質中で結合しており、アポトーシスに伴って経時的に解離した。また、アポトーシス細胞の細胞質画分に14-3-3を添加するとBaxの移動が抑制され、14-3-3を免疫除去するとBax移動が促進された。これらの事実より、14-3-3は正常状態でBaxを細胞質中にとどめておく機能を有するものと考えられた。 2,新規シトクロムc漏出誘導因子同定-放射線を照射したラット胸腺より細胞質画分を調整しミトコンドリアと混和すると、ミトコンドリアからのシトクロムcが確認された。この作用は正常胸腺の細胞質画分では認められないためアポトーシスシグナルに関与するものと考えられる。FPLC等を用いてこの因子の同定に成功したが、実際、この因子のrecombinant蛋白質をミトコンドリアに投与すると、濃度依存的にシトクロムc漏出を誘導した。また、細胞株やラット胸腺を放射線照射すると、この蛋白質の細胞質濃度が上昇した。これらの結果より本蛋白質は、放射線誘導性アポトーシスの誘導因子として重要であると考えられた。
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