研究課題/領域番号 |
12680706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
毛利 達磨 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60290912)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Ca^<2+>オシレーション / Ca^<2+>流入機構 / 細胞内Ca^<2+>蛍光測定 / Mn^<2+>蛍光消退法 / ハムスター精子抽出物(SE) / イノシトール三リン酸受容体(InsP_3R) / イノシトール三リン酸(InsP_3) / 容量性Ca^<2+>流入 / Ca^<2+>流入 / 細胞内Ca^<2+>蛍光測定法 / ハムスター精子抽出物(SE;sperm extract) / ERポンプ阻害剤タプシガージン(Tg) |
研究概要 |
本研究では普遍的細胞生物学的現象の一つであるCa^<2+>流入機構を解明するために、哺乳類卵細胞マウス卵の活性時のCa^<2+>オシレーションを基礎にして、細胞生物学的手法を用いて、細胞内外のCa^<2+>イオン動態を測定することによってその時空間的パターンを解析した。細胞内Ca^<2+>蛍光測定法、Mn^<2+>蛍光消退法(Mn^<2+>によるCa^<2+>感受性色素Fura-2の蛍光消退)、顕微注入などの方法を用いて、以下の点を明らかにした。 1.ハムスター精子抽出物(SE ; sperm extract)の顕微注入によりCa^<2+>オシレーションを引き起こさせた。この時の細胞内Ca^<2+>変化の測定と同時に、Mn^<2+>蛍光消退法により、Ca^<2+>流入を測定した。この結果を解析したところ、先ず、静止にも、定常的なCa^<2+>流入が存在するということ。このCa^<2+>流入はCa^<2+>オシレーションが起こると最初の大きなCa^<2+>増加に伴ってさらに促進される。測定したCa^<2+>オシレーションを数値的シュミレーションによる細胞内のCa^<2+>とMn^<2+>との変化を比較したところ、細胞内に流入したMn^<2+>もCa^<2+>同様にCa^<2+>ストアーに取り込まれ、Ca^<2+>遊離と同時に、遊離されることがわかった。したがって、この、持続的なCa^<2+>流入がCa^<2+>オシレーションを継続させていくことを強く示唆した。 2.SEによるCa^<2+>流入機構の存在を確かめるために、イノシトール三リン酸受容体(InsP_3R)に対するモノクローナル抗体18A10を前注入し、Ca^<2+>遊離機構を抑制した状態で、SEを注入したところ、SEそのものによるCa^<2+>流入を示す変化は認められなかった。 3.ERポンプ阻害剤タプシガージンを添加後、イノシトール三リン酸(InsP_3)を繰り返し電流注入してCa^<2+>ストアーを枯渇させたところ、Mn^<2+>添加後に著しい蛍光消退を示したことから、マウス卵にも、明確な容量性Ca^<2+>流入が存在することがわかった。 4.SEやInsP_3の顕微注入時には、顕著なCa^<2+>流入が認められた。このことは最初の大きなCa^<2+>増加時に、容量性Ca^<2+>流入が誘起されると考えられる。
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