研究課題/領域番号 |
12680730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
工藤 基 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80108141)
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研究分担者 |
中村 高秋 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30314157)
黒川 清 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40215083)
櫻井 弘徳 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60303765)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 聴覚路 / 脳幹 / グリシン / 神経発生 / 中枢神経 / GABA / 下丘 |
研究概要 |
1.免疫電顕的研究:下丘にはグリシン免疫陽性のシナプスが豊富に観察された(観察したaxodendriticシナプスのうち半数がグリシン免疫陽性)。グリシン免疫陽性のもののうち75%の軸索終末は扁平多形小胞をもち対称型シナプスであった。あとの25%の軸索終末は球形小胞で非対称型シナプスを形成していた。すなわちaxodendritic シナプスは多くがグリシン陽性でありGray's type IとGray's type IIの両方が存在する。 2.脳幹の両耳比較器である上オリーブ核群の神経発生:5-bromodeoxyuridine免疫組織化学とFluoro-Goldの逆行輸送による二重標識法で調べた。内側核(MSO)細胞はその多くが胎生12日に発生していた。上傍オリーブ核(SPN)は発生の急峻なピークが胎生13日であった。内側台形体核(MTB)は神経発生が胎生14日であった。最も興味深い結果は外側核(LSO)で、下丘投射において交叉性のものは早期(胎生12-13日)であるのに対し非交叉性のものは後期(胎生13-16日)であった。またどの核でも神経発生と周波数局在は無関係であることがわかった。 3.抗体の作製:我々はエンドセリン転換酵素-1(ECE-1)を作製し、ウェスタンブロット法でラット視床下部の膜分画蛋白をこの抗体が特異的に認識することを確認し、ECE-1が視床下部の特定の細胞と軸索に存在することを見出した。室傍核と視索上核は免疫陽性であったが、下垂体後葉は免疫陰性であった。この結果はECE-1がエンドセリン-1を前駆体のbig ET-1から成熟ET-1に室傍核と視索上核で転換することを示すとともに、下垂体後葉に存在するエンドセリン-1はECE-1の欠如のために成熟ET-1には転換されないと考えられた。この一連の研究方法は今後の聴覚路の解析に応用することが可能である。
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