研究課題/領域番号 |
12680733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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研究分担者 |
古田 晶子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50229118)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 神経根損傷 / Heat shock protein 27 / P38 MAP kinase / 脊髄膠様質 / GFAP / glial cell line-derived neurotropic factor / 神経外傷 / 脊髄 / 痛覚 / 神経再生 / 神経栄養因子 / アストロサイト / シュワン細胞 / Hsp27 / ミクログリア / p38 |
研究概要 |
神経根損傷に基づく脊髄病変の機序を明らかにする目的でラットの神経根引き抜き損傷動物モデルを作製し、分子レベルでその病態を解析した。まず損傷によって生じる脊髄膠様質におけるheat shock protein 27 (Hsp27)の経時的発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、Hsp27が24時間後より傷害側の脊髄膠様質に存在するアストロサイトに選択的に発現した。7日後よりHsp27の発現様式は点状の分布に変わり、14日後の免疫電顕にてアストロサイトの突起の末梢部に局在していた。傷害側の脊髄膠様質において、受傷旱期よりアストロサイトにストレス反応が生じ、産生されたHsp27はその後経時的にシナプス近傍へ移行すると考えられた。したがってHsp27に対する免疫組織化学染色は傷害部位の同定に極めて優れていることが明らかとなった。次に頚椎の椎弓切除後に後根のみを断裂するモデルを確立した。改良したモデルでは脊髄側に短い後根が残っているので後根断裂後の中枢-末梢神経間の経時的変化を観察することができる。この後根におけるグリア細胞やシュワン細胞の変化とともに神経根損傷の修復に強く関与していると想定されている抗glialcell-line derived neurotrophic factor (GDNF)の発現変化を検討した。その結果、後根断裂モデルの残存後根において、中枢-末梢神経接合部から後根に侵入する線状のGFAP陽性構造物を認め、中枢側から伸展したアストロサイトの突起であることを同定した。さらにこの突起伸展に伴ってGDNFの発現がみられ、変性した軸索を再生させるべく侵入したものと考えられた。
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