研究課題/領域番号 |
12680737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
管 建蓮 昭和大学, 医学部, 助手 (20276538)
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研究分担者 |
中条 茂男 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50119236)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
舟橋 久幸 昭和大学, 医学部, 講師 (20317514)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | オレキシン / ニューロペプチドY / POMC / 二重免疫染色 / 免疫電顕 / 細胞内代謝 / 摂食調節 |
研究概要 |
オレキシン(Orexin)は1998年、桜井らによって発見された神経ペプチドセあり、強力な摂食促進作用をもち、最近では睡眠調節にも関与していることが明らかになってきている。オレキシンに対する抗体を用いて、視床下部内のオレキシンニューロンの分布・局在を免疫組織化学的にしらべた。陽性神経細胞体は視床下部の外側野にあり、陽性線維とその終末は視床下部内の弓状核、腹外側核、室傍核、などの摂食に関係する神経諸核に広く分布してみられた。また視床下部外では、新皮質、梨状皮質、海馬、乳頭体結節核、中脳の縫線核、橋の青斑核、脊髄の後角などにも多数の陽性線維がみとめられた。弓状核のNPY(強力な摂食促進ペプチド)およびPOMC(強力な摂食抑制ペプチド)含有ニューロンがオレキシン性神経支配を受けていることをはじめて明らかにした。さらに、オレキシン含有終末は乳頭体結節核でヒスタミン含有ニューロンにシナプスを形成し、また外側視床下部ではMCH含有ニューロンともシナプスを形成していることを明らかにした。この受容体の抗体を用いて視床下部を検索した結果、弓状核のNPY, POMC, ghrelin以外にヒスタミンニューロンにも発現していることが分かった。 オレキシンによる摂食促進の作用機序を明らかにするために、視床下部の弓状核のニューロンを酵素処理を行って単離し、オレキシンがNPYとPOMC含有ニューロンに対してどのような細胞内シグナル伝達機構を介して作用するのかを、細胞内のカルシウム濃度変化を指標にしてしらべた。その結果、オレキシンはNPYおよびヒスタミン含有ニューロンを促進し、POMC含有ニューロンを抑制することが明らかになった。 以上の実験・観察により、オレキシンは視床下部の摂食促進ニューロンを興奮させ摂食抑制ニューロンを抑制する可能性が明らかになった。さらにオレキシンは、ヒスタミンニューロンを介して覚醒作用のある可能性も明らかになった。
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