研究課題/領域番号 |
12680781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石井 加代子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30193246)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 大脳新皮質 / サブプレートニューロン / マウス胎仔 / 層構造 / golliプロモーター / インターロイキン-9 / 層構築 / golli プロモーター |
研究概要 |
大脳新皮質で最初期に発達する層であるサブプレートの神経細胞(サブプレートニューロン)は後続して発達する皮質層の神経細胞に対して誘導的機能を果たすと考えられる。この機能を解析する為に、サブプレートニューロン欠損マウスの作成を計画した。ミエリン塩基性蛋白質遺伝子に含まれるgolliプロモーターの一部early proximal promoter(epp)は、特にサブプレートニューロンで強く持続的な活性を示す。eppの下流に細胞死を誘導する蛋白質reverse caspase-3の遺伝子を結合してマウスに導入することにより、サブプレートニューロンを破壊する事を試みた。しかしサブプレートニューロンを破壊すると広範で多様な障害が生じ、致死的である為解析が困難であることが判った。そこで、サブプレートニューロンが皮質層に伸展する放射状突起を選択的に摂動し、その機能を解析する事とした。CalcineurinのCalcium-calmodulin調節領域を欠損したconstitutively active formは神経突起の進展を阻害する事が示唆されている。eppの下流にconstitutively active calcineurin遺伝子を結合して、マウス胎仔の新皮質に導入し、サブプレートニューロンの変化と新皮質発達への効果を検討する実験を行っている。 サブプレートの摂動マウスと比較するため、これとは逆に新皮質最初期層の発達が昂進している事を研究代表者が見い出したインターロイキン-9過剰発現トランスジェニックマウスを用い実験心理学的解析を行った。レバー押しの代りにタッチパネル操作による報賞獲得を光刺激と組み合わせることにより、マウスでも有効に弁別学習実験を行う事が出来た。この結果、トランスジェニックマウスでは対照マウスに比べ有意に学習能力が劣っていた。トランスジェニックマウスでは反応の潜時も長く、少なくとも視覚に関する感覚系の情報処理に変化が生じている可能性が示唆された。 また、新たに作成した単クローン抗体4E1の免疫活性は、アメボイド状のミクログリアに一致して分布する事が確認できた。特に胎児期から新生期にかけてサブプレート及び、脳室周囲層と大脳皮質層の間の移動途上に有る神経細胞に近接したミクログリアに強い活性が認められ、ミクログリアが神経細胞の移動或いは突起伸展に関与する可能性が示唆された。
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