研究課題/領域番号 |
12680790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
遠藤 昌吾 理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 上級研究員 (60192514)
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研究分担者 |
池田 敏男 理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (80252526)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 長期抑圧 / 小脳 / 一酸化窒素 / cGMP / 神経伝達 / LTD / プルキンエ細胞 / G-substrate / プロテインホスファターゼ |
研究概要 |
我々は小脳の長期抑圧(long-term depression、LTD)を神経可塑性のモデルとして用い、その分子機構を解析した。多くの分子が小脳LTDの惹起に関与するが、この研究ではLTD惹起に必須の役割を果たすNO(一酸化窒素)に着目し、NOにより開始される情報伝達系の構成因子について詳細に解析した。 NO-cGMP-PKG(cGMP-dependent protein kinase)の下流の因子として、プルキンエ細胞に特異的なPKG基質G-substrateの分子クローンニング及びその特徴付けを行った。ヒト、マウス、ラットのG-substrate cDNAを単離し、大量発現系を確立し、さらに抗体を作成した。また、マウスG-substrate遺伝子の構造を決定した。G-substrateのmRNA及びタンパク質は小脳プルキンエ細胞に特異的に発現し、G-substrateタンパク質はプルキンエ細胞体のみならず、樹上突起にも観察された。PKGによりリン酸化されたG-substrateはプロテインホスファターゼ-1および-2Aの強力かつ特異的な阻害剤であった。また、G-substrate遺伝子欠損マウスを作出し、基礎的解析を行った。遺伝子をホモに欠損したマウスの生殖機能、体重、体型など見かけ上は正常であった。しかし、小脳切片のLTDが観察されなかった。このことはプロテインホスファターゼ阻害剤として作用するG-substrateがLTD惹起に重要な役割りを果たすことを示唆している。今後、小脳依存性の学習、LTD依存性の学習におけるG-substrate遺伝子欠損の影響を解析することで、G-Substrateの神経可塑性、そして、記憶学習機構における生理的役割を明らかにすることができる。
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