研究課題/領域番号 |
12680799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 聖徳栄養短期大学 (2001) 日本大学 (2000) |
研究代表者 |
酒田 英夫 聖徳栄養短期大学, 食物栄養学科, 教授 (10073066)
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研究分担者 |
加世田 正和 日本大学, 医学部, 講師 (20072994)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 認知地図 / 頭頂連合野 / 人工現実感(VR) / 道順記憶 / 場所細胞 / ニホンザル / ニューロン機構 / ナビゲーション |
研究概要 |
ヒトも動物も自分の住む環境の空間的配置を認知地図として記憶に貯えていると考えられている。一般に動物の認知地図は海馬にあるとされているが、ヒトの臨床的研究で膨大後皮質を含む頭頂葉内側面の損傷で道順記憶の障害が起きることが知られている。海馬は新しい近時記憶が貯えられる領域であるから、動物でも永続的な認知地図は頭頂連合野に貯えられている可能性が高い。本研究はサルに三次元的な人工現実感(Virtual Reality)によるバーチャル空間の中のナビゲーション(道順)課題を訓練し課題遂行中に微小電極による単一ニューロン活動の記録を行って、認知地図関連ニューロンを探索するという目的で始めた。 まずサルがバーチャル空間の中で認知地図を形成できるかどうかを行動学的に確かめるためにサル飼育研究施設をモデルにした2階建のビルディングの中をジョイスティックの操作で移動するナビゲーション課題を訓練し、ガイド付きの視覚誘導型課題から始めて、最終的にはゴールの部屋の内部の映像を提示した後出発点に戻って、そこから自分でゴールまで行く記憶誘導型課題の訓練に成功した。さらにすでに記憶した5つのゴールへ異なる出発点から行く道順を比較的短期間に学習できることを確かめた。2年目の後半に記録実験を始めてから間もなく5つのコースで合計16ヶ所あるチェックポイントのうちの1つを通過する時に選択的に発射活動を示す「場所細胞」が記録された。さらにある場所である方向に曲る時に選択的に活動するニューロンも記録された。海馬以外で「場所細胞」が記録されたのは本研究がはじめてである。なお、平行して幼若ニホンザルで実空間での道順記憶の発達を研究し、また頭頂連合野の視覚実験で立体視と遠近法の手がかりを統合して奥行を知覚するニューロン群を記録した。
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