研究課題/領域番号 |
12680804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松山 清治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40209664)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 脊髄交連細胞 / 網様体脊髄路 / 前庭脊髄路 / 歩行運動 / 歩行リズム / 脊髄 / 脳幹網様体 / ネコ / アセチルコリン / 神経伝達物質 / 脊髄介在細胞 / 腰髄 |
研究概要 |
本研究では網様体脊髄路及び前庭脊髄路の主投射領域である脊髄VIII層介在細胞層の構築様式の解明を目的とした。VIII層には交連細胞が多数分布し左右肢間の交互歩行リズムの発現に深く関わると考えられている。このため本研究ではネコを用いて左右後肢交互歩行リズムの形成に関わる腰髄VIII層交連細胞機構の構築について以下の2項目の解析を行った。 1 交連細胞の髄節性分布様式 後肢筋運動ニューロン(MN)層または介在細胞層(VIII-VI層)に神経トレーサー(BDA)を局所注入し、腰膨大部を含む第3腰髄から第2仙髄領域(L3-S2)で逆行性標識された交連細胞の分布について解析した。すべての注入例に共通してBDA標識細胞はL3-S2髄節にかけて広範囲に分布していたが、注入部位と同レベルで最大分布を示した。さらに詳細に見ると、VIII層注入例では注入反対側VIII層に分布する標識細胞数の相対比率が極めて高く、これはMN層注入例では注入同側の標識細胞分布が優位であるのとは明らかな違いであった。以上より左右VIII層交連細胞機構は同髄節レベルで相互に強い神経連絡を持つことが明らかとなった。 2 交連細胞の軸索投射様式 第5-6腰髄境界部のVIII層交連細胞層内にBDAを局所注入し、反対側に交差性投射するBDA順行性標識交連軸索群のL3-S2レベルにおける投射様式について解析した。標識交連軸索群は走行方向により上行、下行、両方向性に分類され、中でも前2者が多数を占めた。また交連軸索には前索を中心に走行する軸索群と側索まで移動する軸索群の2群が認められた。これら軸索群は交差レベルと同じ及び隣接する髄節に対して強い投射を示したが、前者の軸索は主としてVIII-VII層に後者はIX層に投射した。 以上の成績よりVIII層交連細胞機構は多様な神経要素から構成されることが明らかとなり、この機構全体として左右後肢の交互リズム運動の発現に多様な機能的役割を持つことが示唆された。
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