• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

反宗教改革期の殉教図サイクルとカラヴァッジオ

研究課題

研究課題/領域番号 12710026
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 美術史
研究機関神戸大学

研究代表者

宮下 規久朗  神戸大学, 文学部, 助教授 (30283849)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードカラヴァッジオ / 反宗教改革 / 美術 / バロック / 殉教 / 壁画サイクル / 初期キリスト教 / ローマ / 身振り / オランス
研究概要

昨年度は、カラヴァッジオ作品に見られる身振りについて、とくに両手を広げるいわゆる「オランス型」の身振りが初期キリスト教美術や当時の殉教図サイクルからの形態的・意味的影響を反映していることを実証して、論文「カラヴァッジオの身振り-表出から象徴へ」にまとめた。本年度は、カラヴァッジオ作品の重要なテーマである幻視(ヴィジョン)について、反宗教改革期や中世の神学思想や当時の宗教画などと関連付け、カラヴァッジオ様式の写実性や世俗性をそれによって説明し、論文「幻視のリアリズム-カラヴァッジョの宗教画」にまとめた。それによって、カラヴァッジオの宗教画の本質について従来と異なる視点から考察することができた。従来、モレットやモローニ、カンピなどロンバルディアのプレ・カラヴァッジェスキの影響から説明されてきた幻視表現が、実はローマにおける初期キリスト教の古刹復興の気運とその殉教図サイクルの壁画から触発された要素があることを、カラヴァッジオの《聖ルチアの埋葬》などを例として実証することができた。
また、昨年末から本年初頭にかけて日本で初めてのカラヴァッジオ展が開催されたが、この展覧会のカタログに監修として関わる機会を得た。《エマオの晩餐》や《祈る聖フランチェスコ》、《法悦のマグダラのマリア》など、展覧会に来た作品のいくつかは上記のような特質をもっており、後半生のカラヴァッジオに顕著となった初期キリスト教美術的な真摯な宗教性を示すものであり、カタログ論文「カラヴァッジョの闇」で、カラヴァッジオ研究につきまとう作品帰属の問題とともに、そのことをさらに詳しく掘り下げることができた。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮下規久朗: "カラヴァッジオの身振り-表出から象徴へ"西洋美術研究. 5. 77-92 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下規久朗: "カラヴァッジョ鑑"人文書院. 94-138 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下規久朗(翻訳・執筆・監修): "カラヴァッジョ 光と影の巨匠-バロック絵画の先駆者たち"朝日新聞社. 173 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下規久朗: "カラヴァッジオの身振り-表出から象徴へ"西洋美術研究. 第5号. 1-16 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi