研究課題/領域番号 |
12710044
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
加藤 知佳子 豊橋創造大学, 経営情報学部, 助教授 (60214384)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 運動視 / 構造からの運動復元 / fMRI / 核磁気共鳴機能画像法 / 運動からの構造復元 |
研究概要 |
視覚による「運動からの構造復元(Structure From Motion : SFM)」においては、物体の運動方向によって、知覚の質や知覚成立の閾値に微妙な差が見られる。これは、地球上では通常、垂直方向に重力がかかっていることに由来すると推測されるが、観察姿勢の影響については未だ明らかにされていない。本研究では、横臥状態での計測を強いられる核磁気共鳴機能画像法(fMRI)による脳機能計測に適したパラダイム開発に向けてSFMに関して力学的視点を導入した上で、これまでの心理学的知見との整合性を確認し、SFMに関わる脳内過程を検討した。 本年度は、眼球運動計測と合わせて、横臥状態でのfMRI計測を行い、通常の姿勢で確認されているSFMを知覚している際の脳内過程を検討した結果を、7th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mappingにて発表した。特に、探索的な眼球運動を必要とする条件下では、運動の知覚に関わるhMT/V5の賦活が有意なことが明らかになった。このことから、hMT/V5は、単純な運動検出だけでなく、眼球運動のコントロールも含めた高次の運動検出に関わっていることが示唆された。同様に、前頭眼野、上頭頂小葉においても、眼球運動とSFM知覚の質の違いに関連した賦活の差が検出された。これらの結果から、運動視に関わる脳内部位の賦活が、SFM知覚の質およびそれぞれ特有の眼球運動によって影響を受けることが明らかになった。心理学的には通常の姿勢における実験と同様の課題を遂行していても、脳内過程としては姿勢の影響を受けている可能性は否定できず、今後更に詳細な条件設定を行って、横臥状態という姿勢の影響を検討する必要があると考えられる。
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