研究課題/領域番号 |
12710080
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
葉石 光一 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (50298402)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 知的障害児 / 眼球運動 / 運動調整 / 目的的行為 / 援助 |
研究概要 |
昨年度の研究において、知的障害者の眼球運動に対する言語的調整の特徴について次のことが明らかとなった。 ・知的障害の程度により運動の言語的調整のプロセスに質的差異がある。知的障害の程度が軽度・中度の場合、運動にまとまりをもたせ、方向付ける上で言語過程が有効に機能しうる。いっぽう知的障害が重度の場合、言語過程が軽度・中度群にみられたような効果をもたない。 そこで本年度の研究では、特に知的障害が重度の者が運動を方向付ける上で利用可能な情報を検討することを目的とした。ここで取り上げたのは、刺激の物理的特性が運動を方向付けることが一般にしられているポップアウト現象である。視覚的な探索を行う際、ポップアウトが働くような刺激を用いると、目標刺激以外の妨害刺激の数に関わらず目標刺激の探索が容易になることが知られている。ポップアウトとは探索する目標が自然に目に飛び込んでくるような現象である。こういった物理的特性をもった刺激を用いることで重度知的障害者の運動を方向付けることができるかが具体的な検討課題であった。結果としては、重度知的障害者の場合、こういったポップアウトが眼球運動を明らかに方向付けるものとなりうるとは言い切れないことが明らかとなった。ただし重度知的障害者が認知過程の前注意過程において生じるポップアウトを言語的な教示に従った運動にうまく結びつけることができなかったにすぎない可能性は完全に否定できておらず、この点は今後の課題である。
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