研究課題/領域番号 |
12710090
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
城本 るみ 弘前大学, 人文学部, 助教授 (60302014)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 現代中国 / 高齢化 / 社会保障 / 地域福祉 / 地域間格差 / 市場経済化 / 世代間関係 |
研究概要 |
平成13年度は、まず平成12年度に行った現地調査及び収集した資料の整理から着手した。また日本国内における高齢化に関する比較資料の収集にも努めた。その結果、平成12年度の中国における現地調査の追跡調査を行う必要があると判断し、30日間にわたる海外調査を実施、以下のような成果を得るに至った。 1.長春市のような内陸型中規模都市においても赤字国有企業の解体が進み、リストラのもたらす老後不安が深刻化している。新興宗教の隆盛や旧習の復活など、社会不安の増大が高齢者問題に投げかけている波紋は各方面に及んでいる。 2.都市部では貧富格差が拡大の一途をたどっており、これも高齢者問題に大きく影響を与えている。高齢者にとっては医薬品の高騰など医療費の増大がいちばん不安材料となっているが、寝たきり老人の介護問題もすでに深刻化しており、家族介護の限界を支える社会的サポート体制はまだ未整備である。 3.そのため大都市圏では社会福祉施設の建設及び地域社会における相互扶助を合言葉とする「助け合い」に力を入れているが、中国東北部では施設建設や支援体制が遅れており、親戚や知人等の紹介による個人介護ヘルパーが増えている。しかしその雇用や介護の質については検討課題が多い。 4.格差は収入のみでなく高齢者問題においても、サポート情報の収集力や社会保障体制、人々の高齢化に対する問題意識など多岐にわたっている。調査対象とした知識層では、三世代間の世代間ギャップも問題化しているが、一人っ子である孫世代を海外に留学させる傾向が顕著にみられ、現在中壮年であるその親たちの老後は、高齢者のみ世帯の増大と直結していると思われる。 5.中国の伝統的な親子関係といわれる息子夫婦との同居ではなく娘夫婦との同居や、孫の世話のために高齢者自身が子供の勤務地へ移動する現象も増加傾向にある。
|