研究課題/領域番号 |
12710105
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
林 拓也 東京都立大学, 人文学部・社会学科, 助手 (90322346)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 社会階層 / アスピレーション / 社会的ネットワーク |
研究概要 |
前年度に実施したアンケート調査に基づき、データを整理し、その集計および分析を行った。 本研究においてとくに着目したのは、雇用者として入職した人々にとっての地位達成の主要経路と想定される「企業内昇進」および「独立開業」への志向(キャリア・アスピレーション)であり、分析の結果、以下の諸点が明らかとなった。まず第一に、アスピレーションが、どのような意識構造を成しているのかについて、調査で取り上げたいくつかの意識・志向変数との関連を探索した結果、(1)昇進アスピレーションは、職場満足度・地位志向・安定志向との関連が見られ、現時点での職場や生活環境を維持しつつ、地位の上昇移動を実現する経路として「企業内昇進」が志向されている。(2)独立アスピレーションは、職場満足度および職場志向・安定志向の低さと関連しており、現状への不満を持ち、そこからの離脱を厭わないチャレンジ精神から「独立開業」が志向される。第二に、キャリア・アスピレーションがいかなる要因によって規定されているのかについて、理論的に導出された変数による効果の検証を行った結果、(1)企業規模や役職といった「獲得-構造要因」が昇進アスピレーションを規定しており、現在の職業的環境から、自身の将来地位を「予測」あるいは「期待」していることがうかがえる。(2)「帰属-社会化要因」として想定した親からの影響は、昇進に対する価値志向が、親という生得的な社会関係によって伝達・継承され、また対象者がそれに対して「同調」を示していることが示唆される。(3)「選択-社会化要因」のうち、対象者の「目標人物」として挙げられたモデル・ネットワークは、その存在自体が各アスピレーションへの「意欲」を喚起していることが判明した。
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