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障害者自立生活介助の相互行為分析-介助を伴う日常生活の技法-

研究課題

研究課題/領域番号 12710121
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関北星学園女子短期大学

研究代表者

水川 喜文  北星学園女子短期大学, 生活教養学科, 助教授 (20299738)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードエスノメソドロジー / 会話分析 / 自立生活運動 / トランスクリプト / 相互行為 / 障害当事者 / パーソナルアシスタント / 身体障害者介助
研究概要

本研究は、障害者の自立生活介助における相互行為をビデオ分析し、自立生活の日常的方法(method)を明らかにすることを目的とした。ここで焦点が当てられたのは、専門家による「介護」ではなく、障害当事者の自立と自己決定のための「介助」である。そのため、障害者の日常生活介助の技法に注目し、障害者と介助者の日常的な場面、自立生活プログラムの場面、さらには「介助を受ける側」の障害当事者が介助者を育成する場面(介助教育)の場面などに注目し、ビデオデータを収集し、H.Sacksらの会話分析やH.Garfinkelらのエスノメソドロジーなどの理論的背景をもとに相互行為分析を行った。
これによれば、1)介護の相互行為においては、介護者-障害者というカテゴリー対が構成され、「介護者による問題発見」→「介護」→「感謝」というシークエンス(継起)になるのに対し、2)介助の相互行為においては、介助者-障害者というカテゴリー対が構成され、「障害者による要請」→「介助」→「感謝」というシークエンスとなり、障害者の自己決定による介助の相互行為が行われていることがわかる。そのため、介助の相互行為において「介助」が先行する場合は、なんらかのサンクションがなされることになる。さらに、障害当時者による介助教育の場面では、「導入」(I)→「応答」(R)→「評価」(E)というシークエンスと、先の「介助」のシークエンスを重ね合わせることにより、自立と自己決定のための介助の思想を実践の中で伝えていることが明らかになった。また、これらの介助思想はスウェーデンなど欧米の障害者自立運動においても実践されていることも現地調査により解った。
本研究において、障害者の自己決定による介助場面や「介助を受ける側」が介助者の教育を行う場面の相互行為を分析することにより、ともすれば技術偏重で一方的になってしまう障害者や高齢者の介助を、介助する側と受ける側の相互交渉を伴う創造的場面への転換していく介助の「方法(エスノメメソッド)」の一端が解明できたと私は考える。また、この「方法」こそが、「健常者」と障害者の共生する社会を個々の場面で成立させるものなのであり今後さらに解明・例証されるべきものと考える。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 水川 喜文: "障害者介護という物語の分析:A.ラツカの視点から見る障害福祉ビデオ"北星学園女子短期大学紀要. 38. 193-203 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Mizukawa, Yoshifumi: ""Praxiology of interaction between people with disabilities and personal assistants : category use and sequential organization in personal assistance education""IEMCA conference abstracts, 'Orders of Ordinary Action'. 1. 46-46 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 水川喜文: "会話分析による録画記録の利用法-トランスクリプト作成の方法論-"北星学園女子短期大学紀要. 37(印刷中).

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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