研究課題/領域番号 |
12710133
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
PARMENTER Lunne (LYNNE Parmenter) 福島大学, 経済学部, 助教授 (10312761)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | バイリンガル / アイデンティティ / 多文化教育 / 二つの文化をもつ子供達 / 外国人児童 / 国際理解教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、日本の公教育における「二つの文化をもつ子ども達(Bicultural Children : BCC)」の現状を明らかにすることであった。具体的には、(1)BCCに関する文部科学省の政策、(2)BCCに対する教師の対応、(3)BCC自身の現状認識、(4)BCCの親の現状認識、の4項目を検討した。本研究では、E-mailによる質問紙調査と面接調査を用いたが、その結果、以下の重要な問題が明らかになった。 今回の調査で明らかになったことで最も重要なことは、「日本の公教育におけるBCCの多くが日本国籍をもっており」、「文部科学省の定める『日本語教育を必要とする者』という範疇に入らない」という点であった。すなわち、文部科学省は、現実に何人のBCCが存在するのかということさえ把握していないのである。このため、「表面化しているBCC」には、一定の対策が講じられている一方で、「表面化していないBCC」に対しては、何の対策も講じられていないという事態が発生している。現在の文部科学省が、日本の学校には「純粋な日本人」と「純粋な外国人」のみが通っているかのような錯覚をもち、現実に数多く存在する「表面化していないBCC」の存在自体を認識していないことは重要な問題である。 また、今回の調査で明らかになったもう一つの重要な問題は、BCCの親達が、BCCのアイデンティティの問題と、(BCCが)日本以外の文化とどのような関係を保つべきなのか、という点について最も心配している、という事実であった。これらの点については、今後更なる研究が行われ、適切な対応策が検討される必要がある。 なお、これらの結果については、BAICE(英国比較国際教育学会 : 2000年9月、Birmingham)とJALT(日本外国語教師協会 : 2001年11月、福岡)ですでに口頭発表し、『福島大学経済学部地域研究』にて論文として発表した。また、AILA(国際応用言語学会 : 2002年12月、Singapore)でも口頭発表する予定である。
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