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戦後期における音楽教育改革に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12710145
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育学
研究機関和歌山大学

研究代表者

菅 道子  和歌山大学, 教育学部, 助教授 (70314549)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード戦後教育改革 / 音楽科 / カリキュラム / 教育実践史 / 音楽科教育 / 教育史 / 単元学習 / 学習指導要領
研究概要

平成13年度は前年度に続き、資料収集とその分析によって、次のように研究を総括した。
1.終戦直後における音楽教科書取扱いの実態を分析するとともに、文部省著作音楽教科書と戦時期音楽教科書の比較分析を行った。(1)その結果、「墨塗り」措置の中で特徴的なことは「儀式唱歌」が全国的に残存されていたことであり、しかしながら暫定教科書には不掲載となった経緯を確認した。同様の教材が他教科では修正削除されていることからすれば、このことは当時の天皇制に対する曖昧な姿勢を反映するとともに、儀式の場で一斉唱する活動が、集団統合、思想教化の場として特化した機能を有していたことを示すものであった。(2)また二つの教科書は芸術性の追求、あるいは児童の自己表現や人格形成といった理念に対して対照的な立場にたつものの、双方ともに児童の発達段階への配慮や音楽的内容の深化において相応の発展があったことが検証した。政策理念が異なっても、教材や日々の指導は一定の普遍的原理があり、そのことが変革時の実践に対する自己批判、社会的意味づけを困難にする土壌形成の一因をなしていることを実証的に明らかにした。
2.1940年代後半から1950年代半ばまでの音楽科を中心としたカリキュラム編成及び学習指導構成の変遷を資料や聞き取りをもとに検証した。その結果、1950年前後にいくつかのバリエーションをもったコア・カリキュラムプランが多く作成され、1951年以降は次第に教科カリキュラムヘと変移していったこと、また音楽科内の学習指導構成においても1950年前後に「単元学習」として単元を用いた学習指導構成が積極的に試みられたものの、1952年以降その形骸化が批判され、次第に消失していった経緯を確認することができた。学習指導構成の単位は楽曲教材であり、「正しく歌唱」するという原理に基づくものであった。「正しく歌唱」するということは礼法、朕、,集団統合、音楽表現の礎といった理念を裏付けとする歌唱教育の基本原理であり、日本の音楽文化変容の過程における学校音楽教育の関わり方を示す鍵概念としての意味をもつことを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 菅道子: "終戦直後における音楽教科書の「墨塗り」措置-「儀式唱歌」の取扱いを中心に-"和歌山大学教育学部紀要-教育科学-. 52集. 79-96 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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