研究課題/領域番号 |
12710163
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 独立行政法人国立特殊教育総合研究所 (2001) 国立特殊教育総合研究所 (2000) |
研究代表者 |
佐島 毅 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (20241763)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 重複障害 / 視覚活用 / 指導プログラム / 幼児 / 視覚障害 / 知的障害 |
研究概要 |
重複障害幼児における視覚活用の困難さについて、(1)眼球の光学系の異常、(2)眼球の疾患、(3)視覚伝達路の疾患・損傷、(4)大脳視覚野の損傷、(5)大脳頭頂葉の損傷の5つに機能的分類を行った。(1)については知的障害幼児への光学的屈折状態のアセスメントの方法と視覚補償による学習・行動への効果について検証した。 また、(2)〜(5)について、効果的な視覚活用学習をするため刺激提示補助具を開発し、その効果について検討した。補助具は、視対象を傾けて提示することのできる書見台であり、背景輝度および、背景と視対象とのコントラストを見やすくすることのできるものである。試作した書見台を、知的障害幼児施設、盲学校、および弱視学級において評価し、製品化された。 上記の刺激提示補助具を用いて、下記の指導ステップすなわち、(1)視対象への気づきと定位、(2)視対象持続的把握とスキャンニング、(3)視覚-運動協応と形態の方向づけ、(4)立体での方向の認識、(5)形の分解・構成と構成模倣、(6)描画と模写、(7)視覚刺激のコントロールによる類腹・系列概念の学習、による視覚活用学習を行い、指導プログラムおよび刺激提示補助具の効果について事例的に検証した。その結果、どのタイプの子どもにも指導ステップおよび補助具の活用が有効であり、特に(3)〜(5)に機能的に分類されるタイプの子どもでは、指導ステップの構造化と補助具の活用が学習効果に大きく寄与することが明らかになった。 (3)の視覚伝達路の疾患・損傷のタイプでは、視覚活用学習において実用的な視野評価の必要性が指摘された。この点について、日常の学習活動で行うことのできる対面法による視野評価および、書見台を活用したスキャンニング課題における視対象の発見過程を視標とした評価を試みた。その結果、上記の方法で得られた視野評価の結果は、視覚活用学習における配慮において有用な情報となることを検証した。
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