• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ケニアの牧畜社会における自然・家畜・人間認識の統合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12710168
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関静岡県立大学

研究代表者

湖中 真哉  静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードケニア / サンブル / 牧畜民 / 自然認識 / 民族分類 / 人格概念 / 社会変化 / 物質文化 / 牧蓄民 / 民俗分類
研究概要

本研究は、ケニア中北部の牧畜民サンブルを対象とし、彼らが形成してきた自然・家畜・人間に対する認識体系をそれぞれ調査・検討した上で、その三者を統合的に考察することを目的とする。平成13年度は、平成13年7月22日から9月23日にかけて、ケニアに海外出張し、サンブルを対象とした調査研究を実施することができた。
本年度の調査研究においては、動物認識と家畜認識の比較作業を重視したが、特に野生動物に関する民俗知識や口頭伝承の収集、家畜の分類体系や物質文化の究明などに関して調査成果をあげることができた。植物認識に関しては、サンブル県北部地域を重点地域に選定し、前年度の調査成果と比較しながら標本を収集した。これらの標本は、ナイロビ大学のハーバリウムとの協同作業で、現在学名の同定作業を進めている。
本年度の調査の結果、解明できたおもな事項は、以下の三点である。1.サンブルは、野生動物を、家畜との類似度によって認知・分類しており、牧畜生活によって形成された家畜認識のスクリーンを投影した自然認識の在り方が窺える。2.サンブル社会においては、家畜の類別的名称は、野生動物との類似性によって表現されることがあり、家畜認識もまた野生動物の認識に影響されている。3.植物に関する民俗知識は、地域的な偏差が著しく、全く別種の植物が他地域では同じ名称で呼ばれている。これは、サンブルが歴史的に移住を繰り返す過程で、既存の植物認知を、移住先の植物に応用した結果と考えられる。
これらの成果から、サンブルは、野生の動植物、家畜、人間の各カテゴリーが連続した認識体系を形成しており、統合的な観点による認識世界の民族誌作成に成果が期待できることがわかった。研究成果の公表に関しては、既に一般向け雑誌に調査の概要を報告したが、今後は、学会向けの報告とインターネット上における情報公開体制を準備する。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 湖中 真哉: "書評 内堀基光 他編 『「もの」の人間世界』"民俗学研究(日本民族学会). 65巻4号. 392-395 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "人間と自然をたとえで結ぶ牧畜民-ケニア中北部サンブルの認識世界"エコソフィア(昭和堂). 第8号. 72-73 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中 真哉: "地域通貨としての牛"季刊リラティオ(チクサン出版社). 第12号. 6-11 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 湖中真哉: "牧蓄民の命名技法と経験世界のグローバル化 -ケニア中北部サンブルの事例-"社会人類学年報. Vol.26. 157-168 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi