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日本近世における芸能興行・遊女商売の「場」の存立についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 12710184
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関お茶の水女子大学 (2001)
山梨県立女子短期大学 (2000)

研究代表者

神田 由築  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (60320925)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード芸能興行 / 遊女 / 芸能者 / 社会集団 / 地域社会 / 瀬戸内海地域 / 大分県 / 山梨県 / 天保改革 / 歌舞伎 / 浄瑠璃
研究概要

本研究は二つの課題を設定していた。(1)瀬戸内海地域における遊女商売の実態を解明する、(2)東国における芸能興行の構造を解明する、の二点である。このうち(2)に関しては、昨年度に山梨県を対象地域とした論文と史料目録を発表したので、本年度は(1)に力点をおいて調査・研究をすすめることにした。その結果、近世・近代の豊後国(現在の大分県)の遊女集団について、芸能者集団と比較して次のような知見が得られた。近世では、遊女集団・芸能者集団ともに<集住と移動(あるいは出稼)>という形態をとるなど、多くの共通点がみられる。遊女集団が移動する範囲は、たとえば別府・浜脇の遊女は国東半島を巡廻するなど、それぞれに決まっていた。やがて近代の遊女「解放令」のもとで、両集団には大きな相違点が生じる。芸能者が「役者村」という、渡世集団=血縁集団=地縁集団の枠組みを崩さなかったのに対し、明治政府によって「解放」された遊女は、「本貫」への帰郷を奨励され、遊女集団における血縁・地縁関係は、あくまでも擬似にすぎないことが露呈したのである。しかし実際には、遊女の集住形態は解消されず、もとの遊女屋に「寄留」して渡世を続けた遊女がかなりいたため、集団の実態は近世から近代に引き継がれた。また近世の遊女商売は、大坂などに拠点をおく「旅稼」の遊女のような、集団からみれば逸脱的・周縁的存在も組み込んで成立していたのが特徴である。そうした存在によって、近代の遊女集団の枠組みも補完された形跡があり、その意味でも、近世と近代の遊女集団には連続性が認められる。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 神田由築(栄原永遠男・塚田孝編): "社会集団史"山川出版社(刊行予定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築(藤田覚 編): "街道の日本史20 江戸-街道の起点-"吉川弘文館(刊行予定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築: "「「明治十三年第三月浄瑠璃三業仲間申合規則連名調印簿」について」"論集きんせい. 22号. 62-81 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築: "「「山梨県北巨摩郡宮坂家文書」について」"山梨県立女子短期大学紀要. 34号(未刊行なため頁不明). (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築: "「甲府の芝居と江戸役者」"山梨の文学. 17号. 37-45 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築(吉田伸之編): "吉田伸之編『シリーズ近世の身分的周縁4 商いの場と社会』のうち「飴売商人」"吉川弘文館. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 神田由築(塚田孝,吉田伸之編): "『近世大坂の都市空間と社会構造』のうち「近世大坂における浄瑠璃興行-天保改革をめぐって」"山川出版社. (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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